この項では、インプラント上部構造(人工歯)装着後に、起きる問題について解説しましょう。まずインプラント上部構造を固定すると、いままでそこは歯がなく、自由に舌や頬や唇が行き来していたわけですから、そのような異常な運動ができなくなり、狭苦しいような感じがします。舌や頬や唇にとってフリースペースだった部分に歯ができるわけですから、最初は頬や舌をよくJみます。また歯がなくて片噛みするわけですから、新しい歯を頭が覚えて、使ってくれるようになるまでにも一定の時間がかかります。
厚い入れ歯を入れていた人は、インプラント上部構造に代わることによって、かえって発音しにくくなります。サ行やタ行は歯擦音といって、舌の先を上顎前歯の裏側にストップして音をつくります。分厚い入れ歯に慣れて、舌の位置がそこで止まっている人は、インプラント上部構造のようなコンパクトな歯が入ると、かえって舌先が宙を切ってしまって、うまく構音できないのです。
しかし、これもトレーニングによって、ちゃんと話せるようになります。入れ歯で慣れた舌の位置がおかしいわけですから、知らずに人には聞き取りにくい音を出しているのです。そのような構音障害はインプラントによって改善されます。

1. セラミックの割れ

インプラントは骨と結合していますから、噛み合う力や衝撃はもろにインプラント上部構造に加わります。セラミックは陶器ですから、衝撃力で割れることがあります。これは何かを食べたり、噛んだりしたから起こるものではなく、セラミックと歯、またはセラミックとセラミックの衝突によって起きる現象です。しかし、これはフィクスチャーやアバットメントの基本構造に問題が発生しているわけではないので、修理が可能です。

2. インプラント上部構造の脱落

インプラント上部構造をセメントで固定することをセメントリテインと呼ぶことは前項でお話ししましたが、この場合、しばしば仮付けセメントで固定します。そうすると、ときどきインプラント上部構造が取れることがあるのです。あまり頻回に取れるようなら、より強力なセメントで固定したほうがよいでしょう。

3. インプラントの汚れ

インプラントの汚れはすべからく細菌の塊です。歯につく歯垢とは細菌の種類が異なります。手入れにまめに歯科医院を訪れてください。インプラント専用のケアを行う必要があります。そうしないと長く使うことはできません。メデントグループでは一カ月に一度来院していただいて徹底的にケアすることをお勧めしています。そのような努力をしていただいたゲストには、保障期間の設定もしています。

インプラントは上部構造が入ってからが治療の始まりと考えてください。それは新たな病気になることを予防するということなのです。そして死ぬまで入れ歯やブリッジなしで楽しく食生活を送ること、これが活力につながり、若さの根源になるのです。そんなお手伝いをしたい、それがメデントグループの願いです。