本日のインプラント相談は、57歳の女性ですでに下顎の前から6番目の歯にインプラント治療が行われていた。しかし、この女性は不満であった。何故なら金属冠がインプラントに被せてあったからである。友人も別の歯科医院でインプラント治療を受けたところ、その先生は初めてインプラントを行う先生で、安くしてくれたことと、被せる歯も白いものも選べるということで、自慢されたのが悔しいらしいのである。ちなみにこの女性の先生は、インプラントの前後の歯が金属冠のため、インプラントだけを白くしても審美性の回復には貢献しないため、安い金属用いたものと思われた。これはこれで妥当な医療判断である。問題は初心者の先生である。インプラントが初めてで指導者なしで、手術を行うなど危険な医療行為そのものである。特に下顎は、骨の質は良くてインプラントの固定にはうってつけではあるが、危険な血管や神経が走行している。割安にするなど命をかけるリスクに比べたら取るに足らないものである。先の不満を感じさせてしまった先生の方がよほどベテランであろう。
しかし、問題はそういうことではない。素人である患者さんにはものの良し悪しや選択できる治療法の種類は分からないのだから、やはり説明が足りないのである。限られた時間の中で説明もしっかり行い、安全な医療を展開することは語るほど簡単ではない。